「お茶一杯から始まった はとバスの経営改革」 講師 宮端 清次 様(株式会社はとバス 元代表取締役社長) 1.はじめに~挫折・失敗から得た教訓 2.「はとバス」の再建・再生と復配への道(平成10~14年) 3.不透明、不安の時代に生き抜くリーダーの役割 以上の内容について講演いただきました。 まず、挫折・失敗から得た教訓では、 (1)全社員が危機感と使命感を共有出来るか (2)社員のやる気をひきだせるか (3)退路を断って率先垂範ができるか について 次に、「はとバス」の再建・再生と復配への道では、 (1)全社員の意識改革 「100-1=0」「100-0=200」 (2)経営者責任の明確化と経営の基本方針策定 (3)コスト削減策 (4)(安心・安全対策含む)サービス推進策 (5)CS(顧客満足)ES(従業員満足)「なら」「しか」経営 について 不透明、不安の時代に生き抜くリーダーの役割では、 (1)時代の変化とお客様のニーズ、ウォンツの把握 (2)働く人達の心の支え=希望と誇り、達成感・充実感の共有 (3)リーダーに求められるもの (4)リーダーシップとコミュニケーションの本質 (5)企業は人なり 「人生は楽しい、でも楽じゃない」 「逆境こそチャンス」「難有り有り難し」「三やか」「信者づくり」 「3CHマネジメントサイクル」 CHANCE→CHALLENGE→CHANGE の繰り返し について、講演会資料を元に、社長任期中に経験した多くの失敗談 から学んだこと、実際に取り組まれたこと、そしてそこから生まれた 「リーダーシップ論」について、身振り手振りを加えた、感情のこもった 熱い言葉で語っていただきました。 ご自身の失敗談から、「こうあるべきだった」「こうすべきだった」又は 「こんなことに取り組んだ」という、失敗によって何を学んだかという お話は(単なる成功談ではない)実践論であり、参加会員に、とても 好評でした。 講演会後に行われました懇親会では、時間の許すかぎり、参加会員と 交流いただきました。 感謝。 最後に(実は有名なお話だそうですが)、宮端先生が講演会の終盤で お話されました、CD(Customer Delight/カスタマー ディライト= 「顧客の期待以上のものを提供」「顧客の感動を呼ぶ」)について ディズニーランドでのエピソードを紹介します。 ある日、ご夫婦がディズニーランドのレストランにて、お子様ランチを 二つご注文されました。 お子様ランチは、9歳以下の子供しか注文出来ない為、アルバイトの ウエイトレスはマニュアルに沿って『お子様ランチは9歳以下のお子様 用で大人の方には物足りないかと思われますので‥』とお断りしようと しつつも、非常に落胆された様子から、マニュアルから1歩踏み出し、 『失礼ですがお子様ランチはどなたがお召し上がりになりますか』と ご夫婦に尋ねました。 ご夫婦は、『私たちの子供が重い病気で亡くなりました。生前、病気が 治ったら、ディズニーランドで一緒にお子様ランチを食べようと思って いましたが果たせませんでした。毎日悲しんで過ごして来ましたが、 亡くなった子供の思い出にと、ディズニーランドに来て、お子様ランチを 食べようと思いました。』と、お話されました。 その話を聞いたウエイトレスは、2人席から4人席の家族用テーブルに ご夫婦を案内し、大人用の椅子一つを子供用の椅子に取り替えました。 改めてご夫婦からのご注文をお受けし、自身のポケットマネーで1人分 を追加し、3人分のお子様ランチをテーブルに運び、『ご家族でごゆっくり お楽しみ下さい』と言葉を添えたそうです。 後日、ディズニーランドには、この対応にとても感激されたご夫婦より このエピソードと感謝の言葉、そして涙を拭いて生きて行くという決意の 言葉が綴られた手紙が届きました。 ウエイトレスの対応はマニュアル破りの規則違反かも知れませんが、 マニュアルは基本で、実はマニュアルを超えるところに感動が潜んで いるのです。 「はとバスも感動製造機」であるべきと説く、宮端先生のお話でした。 |