2019年度総会および幹事会での互選により、コープ物流研究会・第7代会長に就任をいたしました、日本生活協同組合連合会の尾辻です。
平素より「生協」の物流事業及び「コープ物流研究会」の活動に多数の皆さまのご支援ご協力をいただき、深く感謝を申し上げます。
さて、新型コロナウィルス感染症は、ワクチン接種は進んだものの、変異ウィルス「オミクロン株」出現に伴なう感染拡大により、パンデミック(世界的流行)収束は未だ見通せない状況です。
また、経済・社会にも深刻な事態が続いており、コロナ禍での雇用も厳しく生活への不安もますます大きくなる一方、コロナ以前からの課題である、日本社会での貧困や格差(分断)の問題や少子化による生産年齢人口減少の構造、(人的な原因含め)多発する災害や地域コミュニティと交通インフラ消滅への対応等、新たにコロナ禍で見えてきた課題も含め、社会全体も私たちも大きな変化を迫られている転換期であると思います。そしてそんな状況だからこそ、身近なセーフティーネットの役割を目指す生協が約3000万人の組合員さんとともに進める、「助け合い・支え合い」の重要性がいっそう増すものと考えていますし、くらしや地域の課題を知りその解決に取り組む生協の役割が改めて問われていると感じています。
そんな中、全国の生協が47都道府県内の自治体・社会福祉協議会などとの間で締結している「地域見守り協定※」の締結市区町村数は1165、全体数の66.9%に達しました。
※配達担当者が組合員や高齢者の異変に気付いた場合、事前に取り決めた行政等の連絡先に連絡・通報を行なうもの
感染拡大にともない医療用のガウンが不足する中では、医療福祉生協連へガウン15万着を贈呈し、大学生協の職員や学生の皆さんに使っていただく為に、全国195の大学生協に、計174万6千枚のマスクを寄付しました。更に日本生協連では『つながる力で未来をつくる』というメッセージの元、「2030年ビジョン」の具体化に向け取り組みを進めています。コロナを含む先の諸課題についても、全国の生協の仲間と力を合わせ地域の諸団体や行政とも皆で連携して、組合員さんの暮らしや社会に対して役割発揮を出来るよう、より一層創意工夫を続ける所存です。
物流業界においては、高齢化問題や深刻な人(ドライバー+作業員)不足とそれにともなう人件費上昇の一方、再配達や配送スピード向上など過剰サービス・多様化する消費者の要求に応えすぎたためのキツイ労働環境、激しい価格競争の中での賃金低下により、益々若い人たちが集まらないという構造が続き、コロナ禍の影響による世界的な原油高騰にともなう燃料値上げが、更に経営をひっ迫している状況ですが、必要なものを必要とする人へつなぐ物流は、国民生活においては必要不可欠なインフラであり、後方支援部門として事業を継続する上での要(かなめ)でもあります。
そのような中、コープ物流研究会における研鑚と実践交流の成果が生協事業や物流業界に寄与することが出来るよう、改めて使命を再確認するとともに、改善すべき課題を皆でともに乗り越えることが出来るよう今後も努力を続けて参りたいと思います。
皆様に置かれましては、引き続き当会に対し、ご指導・ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。