2019.09.21
訪問国
フィンランド・リトアニア
日時・場所
2019年9月15日(日)〜2019年9月21日(土)
参加者
19社22名
今年度も第23回目となる海外視察を5泊7日の日程で開催しました。視察団は日本生活協同組合連合会嶋田代表理事専務(視察団団長)以下19社22名に参加いただきました。
今回の海外視察は、北欧諸国の一つで今年日本と外交関係100周年を迎える「フィンランド共和国」では、フィンランド生協連(SOK)本部と店舗、物流センターの視察を行ない、またバルト三国では一番大きな国で、第2次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った日本人・杉原千畝氏の記念館のある「リトアニア共和国」ではCOOP商品・ミニフレンチロールを製造する冷凍パンメーカー、マンティンガ社工場を視察いたしました。
SOKグループは、(スーパーマーケットなど)店舗事業・ホテル・レストラン・ガソリンスタンド・葬祭・金融等幅広い分野で多角的経営を展開。総事業高は約1兆5千億円で、食品の小売りシェアはトップの46%を占めます。
店舗視察は、スーパーマーケット「Vallilla」ハイパーマーケット「Prisma」にお伺いをしました。まずスーパーマーケットではお店の広さが圧巻。どこに何があるのか探すのが大変な印象です。
果物・パン・ばら売りの野菜などは自分で重さを量り、値札を自分で貼るため、各々売場には量りが置かれており、自分が購入したい本数・個数や分量だけ買うことが出来ます。
また、組合員がインターネットでお店の商品を注文し、注文された商品は店員が店内より集品して、バックヤードの冷凍庫・冷蔵庫などで一時保管。あとで購入者が商品を取りに来るという仕組も順調な様で、丁度視察時にも1週間分の食材を引き取りに来店された方がおり、感想をお伺いした所、『便利に利用している』とのお話でした。
広大な敷地に延床6万坪を誇る巨大物流センターは、効率的で且つ自動化が進んでいる印象でした。まず、入場ゲートで納品業者のトラックナンバーを読み取り、入庫バースが指示されスムーズに着床出来、セキュリティも万全で入庫待機などは発生していない様子です。トラックはフルトレーラー、セミトレーラーが主流で全長30m以上のフルトレーラーが走行しています。
物流センター庫内も、店舗へはケース単位で集品された後、パレットカゴ車に積まれての出荷となりますが、出荷までの工程は自動化が進んでおり、正パレット毎に商品がラインに流れる⇒一段ごとに切り出して⇒1ケースずつトレーに乗る⇒(自動倉庫のような)タワーに一時保管後、店舗ごとに出荷⇒パレットに積み付けされ、ストレッチフィルムで養生後、出荷待機場へ。この一連の作業がすべて自動で行なわれていました。
リトアニアではマンティンガ社工場を視察。原料にも拘りがあり、徹底した衛生管理の元、高品質の商品が製造されています。視察当日はドーナッツ・クロワッサンなど製造されており、工場内は区画ごとにゲートがあり、消毒後でないとゲートを通過出来ない『徹底さ』が印象的でした。
昼食には同社のパンやドーナッツが試食を出来、美味しい=高品質を実感出来ました。お土産で持参した、木製のお名前入りハンガーも好評でした。
マンティンガ社視察後には、第二次世界大戦中に日本国の意に背いて『命のビザ』と言われる日本国の通過ビザを(手書きで)2139通発給、約6,000名と言われるユダヤ人を救った、外交官杉原千畝記念館を訪問しました。
記念館は杉原千畝がいた元日本領事館を一般公開している物で、当時を再現した外交官執務室や、机上(命のビザの発給リストなどに実際に触れることが出来る)、外務大臣にビザ発給の許しを請うため送った文書、外務省からの返信(勿論ビザの発給は許されなかった)も見ることが出来、杉原氏の勇気と決断を体感、平和の尊さ・大切さも実感する事が出来ました。記念館は閑静な住宅街にあり、数名日本の方も来館されていました。
9/17日、SOK(フィンランド生協連)視察終了後は、2016年にヘルシンキで世界で初めて実現した、トラム・バス・タクシー・レンタカーなどを組み合わせ、目的地までの最適な移動手段の検索と決済を組み合わせた次世代型のインターネットサービスであるMass(マス)のサービス、Whim(ウィム)アプリを使った乗車体験を行ないました。
以上「第23回海外視察報告」は、2020年夏季開催予定の第46回物流研究会にて報告いただきます。
9/15日には成田空港の会議室にて「結団式」を行ない、今回視察団団長をお願いしました日本生協連・嶋田代表理事専務のご挨拶の後、2チームに分かれ役割分担を確認しました。
9/16日、SOK(フィンランド生協)でご挨拶後、講師:マルジャーナ・サーリコセキ氏によるレクチャー「SOKグループ概要及び戦略について」スタートです。
レクチャー資料の中には、サンタ・クロースやムーミンも!また、今回SOKの担当窓口のジュハニ・イルモラ氏にもご説明いただきました。終了後にはお土産をお渡ししました。
皆さんとご一緒に写真撮影→昼食後は、S(スーパー)マーケットを視察。フィンランドでは野菜や果物、お菓子まで量り売りが多いそうです。
野菜だけでなく、パン(クロワッサン)も(かなりの量の)バラ売りで量り売り。店内は品数が豊富。
店舗のご案内に感謝し、日本茶(お土産)をプレゼント。SOK本部の次は、COOPホラクエラントで(ビジネスモデルと事業分野について)レクチャーと店舗視察。
上記画像①、レクチャーのご対応は、ハヌ・フニ氏(画像右)とイルツガ・リガ氏(画像左)。終了後にはお二人にもお土産をお渡し、ハイパーマーケットへ移動しました。
インターネットで注文された商品を、お店で集品→一時保管がされていました。
集品された商品は、冷凍・冷蔵・常温の温度帯で一時保管され、組合員さんが都合良い時間に(引取りに)来店されます。16日夕食はSOKのレストラン「Kappeli」でサーリコセキ氏とイルモラ氏をご招待しました。翌17日は物流センターにお伺いしました。
SOK物流センターではレクチャーと庫内ガイド付きツアーの二本立てでした。全長30m以上のフルトレーラーはなかなかの迫力です。
「SOK物流センターについて」レクチャーいただいたのはトゥッカ・ツルネン氏。巨大で且つ高度に機械化(自動化が)された物流センターの視察は見ごたえがありました。視察後はSOKの皆様とはお別れです、大変お世話になりました。
視察後(もう!)和食=天ぷらのお店で昼食です。
昼食後には、ヘルシンキで2016年に世界で初めて実現された「MaaS(モビリティ・アズ・サービス)」のサービス「Whim(ウィム)」について、ガイドによるレクチャーと公共交通機関(トラム)の乗車体験とヘルシンキ市内視察を実施しました。
ヘルシンキでの視察は無事に終了しました。翌9/18日は、リトアニアの首都ビリニュスへ移動です。