2018.11.20
訪問国
タイ
視察日程
2018年11月20日(火)~2018年11月24日(土)
参加者
23社29名
第22回目となる海外視察を、上記の通り4泊5日の日程で開催いたしました。
視察団は、日本生活協同組合連合会、稲橋常務執行役員(視察団団長・物流研究会会長)以下23社29名にご参加いただきました。
今回はインドシナ半島中央部の「微笑みの国・タイ王国」にお伺いして、タイの大手食品メーカー(COOP商品製造:CPF社)工場と物流施設、タイ貿易の中心港・レムチャバン港で輸出入貨物への物流サービスを提供されている、センコー株式会社(物流研究会会員)様の物流センターにお伺いをしました。また、本年7月5日に行なわれました「(2018年度)総会及び第44回物流研究会」講演会講師の株式会社イー・ロジット代表取締役社長・角井亮一氏による、現地のインターネット通販物流および宅配事情に関するレクチャーも実施いたしました。またレクチャーでは、タイの物流IT企業・SHIPPOP社CEOと、タイ最大のインターネット通販会社・TARAD Dot Com社創業者のお二人にもお話をお伺いしました。
具体的な視察スケジュールは以下の通りです。
11月21日
・SHIPPOP社レクチャー
会場:TARAD Dot Com社(タラッド・ドット・コム社)会議室
住所:CW Tower,Floor31,TowerA,Ratchadaphisek Road,Huay Kwang,Bangkok10310タイ
・センコー、レムチャバン物流センター視察
社名:SENKO Logistics Distribution(Thai Land)Co.,Ltd
住所:Pinthong Land 1,130/11-13 Moo.9,T.Nongkham,A.Sriracha,Chonburi,Thai Land
11月22日
・CPF社サラブリ工場視察
社名:CPF(THAILAND)PUBLIC COMPANY LIMITED SARABURI FOOD PROCESSING
PLANT
住所:150Moo7,Midtraparp Road,Thumbol Tandiew,Amphur kangkoi,Saraburi 18110
・CPF社物流センター視察
社名:CPF(THAILAND)PUBLIC COMPANY LIMITED STRIBUTION CENTER BANG NAM
PRIAO
住所:KM.59 SUWINTHAWONG ROAD,TUMBOL SALADAENG,BANG NAM PRIAO,CHACHOENSAO.24000
CPF社工場概要と特徴
CPF社=チャルンポカパンフーズ社。
タイ国内で最大手となる食品会社。CPグループ(タイ最大のコングロマリット=複合企業体)の中核企業。CPグループ全体でも不動産・流通等様々な事業を展開。タイのセブンイレブン経営も行なっています(店内の食品は殆どがCP製造です)
今回の視察工場は、高レベル自動化ライン(コンベヤ吊り下げの食肉が、洗浄→加工→調理の各工程
に搬送される)、高い安全性(金属探知機、X-Ray検査、急速凍結等安全への配慮)、高い環境意識(余熱利用や水処理での工場内循環)が特徴です。
少子高齢化の影響か、従業員の7割がミャンマーやカンボジアからの出稼ぎで、賃金は325パーツ(約1,100円/日)。COOP商品は95SKUを製造。代表商品は「若鶏竜田揚げ」や「照り焼きチキン」です。
CPF社物流センターの特徴
・高い自動化(自動倉庫、STVでの自動搬送保管設備)
・高い成長性(CPF社以外のコンビニ物流、1,000店舗ものスーパーや外食チェーンが顧客)
・自動倉庫によるリアルタイムな温度管理(-18℃~0℃の温度帯に対応)
・安全意識の高さ(四半期毎にトラック全車点検。ドライバー教育にも力を入れる)
・小口配送への対応力(小規模顧客への混載配送実施)
などです。
SHIPPOP社でのレクチャー内容
・創業者はMOSHI氏(27才。政府系銀行のビジネスプランコンペ等で受賞歴)
・同社はECなどにおける運送委託先の比較、決済サイトやタイ・マレーシアで3PLを展開
・タイではインターネット普及は67%でスマホ利用がメイン。SNS利用率は47%(世界は37%)で、 購買行動へのSNSの影響は大きく、Eコマースやそれを支えるビジネスは急速に成長、競争は激化。
・タイのロジスティクスの弱点
①送付状記載が必要
②費用の妥当性不明
③(発送・荷受に)窓口で並ぶ
④運賃支払管理に手間
⑤荷物のトラッキング(追跡)が出来ない
・タイのロジスティクスの弱点を解決するのが、SHIPPOP!
①「発着地情報」で(無料で)運賃比較が出来る
②「決済画面」で月々の明細管理
③ラベルの発行
④発送=SHIPPOP社への依頼なら郵便局で並ばない
⑤荷物の自動トラッキング(追跡)
⑥問い合わせ対応はLINEで随時
・SHIPPOP社選択で、60%の自由時間増と20%コストダウンを実感出来る
センコーレムチャバン物流センターの特徴
・レムチャバン港から10kmの好立地に立つ
・常温、冷蔵、冷凍の3温度帯の物流センター
・敷地面積48,593㎡、延床面積は21,000㎡
・A棟、B棟、C棟有り。各棟ともに15mの下屋を備え、全天候型荷役が可能
・従業員はセンコー基準マニュアルで教育され、マナーや態度が良好。
・機械警備や24時間警備の高いセキュリティ
・現在、同国アユタヤ県でも物流センター開設を計画中。
・更にベトナム、ミャンマー進出も視野に入れ、ASEAN内陸部での国際陸上輸送ネットワーク構築を
進めて行く予定。
以上、「海外視察報告」は、2019年度夏季開催予定の第45回物流研究会で報告予定です。
【11月20日】
11月20日・9時30分より、東京国際空港(羽田)「TIAT待合室・富士」で結団式を行ないました。稲橋会長、各チームリーダー挨拶の後、各チームごとに打ち合わせを行なって視察報告書作成・視察報告・写真撮影の役割分担を、例年同様「民主的!?」に決定いただきました。
羽田発日本航空31便でスワンナブーム空港へ到着、ホテルまではバスで約40分(のはず)車中からは林立する高層ビルの夜景や、人々で賑わうナイトマーケットの屋台はお祭りの雰囲気を醸し出しています…が、車列も賑わって?来て(空港からバンコク市内へ送迎車両が行き来するこの時間帯は)…渋滞の真っただ中でした(泣)
初日の夕食は市内にある、タイ料理&シーフードのお店「ソンプーンシーフドレストラン」です。
【11月21日】
視察初日・前半はレクチャー。角井亮一氏、Pom氏(TARAD Dot Com社創始者)、Moshi氏(SHIPPOP社CEO)のお話しをお伺いしました。
※この日も朝から大渋滞!?角井氏お奨めのMRT(バンコクメトロ=地下鉄)を利用すべきだった?(泣)
後半はセンコーレムチャバン物流センター様にお伺いしました。日本国内の「センコー流の品質」をそのままタイでも展開されていました。中村社長(センコーグループ、当会会員・中四国ロジスティクス社長)ご説明ありがとうございました。また従業員の皆さんの笑顔と丁寧なご挨拶に感激!
2日目の夕食は、1957年創業の老舗・COCAさんで「タイスキ(タイ王国の料理の一つ:鍋料理)」をいただきました。
【11月22日】
「CPFサラブリ工場」では、笑顔(微笑みの国・タイ王国)でお迎えいただき、CPF社と工場の取り組みについて大変わかりやすいご説明でした。昼食までご馳走になり、唐揚げはジューシーで秀逸でした。※少し早めに出発したのにまたまた渋滞で、朝っぱらから疲労困憊です
CPF物流センターでは、コープトレードジャパン(日本生協連子会社)バンコク事務所・佐藤所長にご説明をいただきました。今回のCPF社視察については、佐藤所長と同じく日本生協連冷凍食品部・竹延担当に企画段階よりご協力をいただきました、感謝。
3日目の夕食は、レストラン「YAMAZATO山里」で和食に舌鼓。お世話になった、前述の佐藤所長・竹延担当ご両名にもご参加いただきました。
【11月23日】
4日目最終日は、夕食のさよならパーティーまではフリータイム。「ゴルフコンペ」組と「アユタヤ観光」組にわかれてオプショナルツアーを堪能いただきました。
ゴルフコンペ
1975年にアジアで初めてワールドカップが開催された名門コース、ナワタニゴルフコースでプレー
アユタヤ遺跡(世界遺産)観光
バンパイン宮殿⇒ワットヤイチャイモンコン⇒ワットプラマハタート⇒ワットブラシーサンペットを巡りました。※アユタヤ遺跡観光の貴重?な画像は、「画像集・観光編」をご参照下さい。
さて、オプショナルツアー後の「さよならパーティー」の場所は、チャオプラヤー川の川岸に立つ、ザ・ペニンシュラ・バンコクのガーデン階にあるレストラン・MEI JIANG(メイジャン=広東料理)。
バンコクは食も含め中国文化と深いつながりがあり、ダウンタウンがチャイナタウンになっているような街ですが、香港出身のシェフ、ボール・ヤウ氏のお料理は広東料理の焼き直しではなく、(食材等に)タイらしさを感じる、「バンコクの中国料理」という味わいでした。とても美味しゅうございました。
バンパイン宮殿
1637年、アユタヤ王朝時代に建てられた宮殿。(アユタヤ王朝ではない)歴代国王たちが夏を過ごす
別荘として利用されていました。1767年のビルマ軍の攻略以降、放置されたままの状態をチャクリー王朝ラーマ4世・5世により再興され、ヨーロッパ風・中国風・タイ風の様々な国の様式を取り入れた建物が点在しています。展望タワーもあり、広大な敷地が一望出来ます。また、2時間毎に行なわれる
護衛兵の交代儀式も一見の価値ありで、兵士も気軽に記念写真に応じてくれました。
昼食
腹がへってはなんとやらですね
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン
アユタヤ王朝時代の1357年(日本では室町時代が出来て数十年後)に初代ウートン王が留学中の修行僧のために建てた寺院。高さ72mの仏塔は、19代のナレスワン王が象にまたがりビルマ王子との一騎打ちに勝利した記念の塔です。また、(塔を)取り囲むような多くの仏像や、漆喰で作られた真っ白な巨大な涅槃物も見どころで、タイ観光のパワースポットになっています。
ワットプラママハタート
1374年、仏陀の聖骨を納めるために建立したとされる13世紀の重要な寺院の一つですが、ビルマ軍の侵略により廃墟と化し、今は頭部が無い仏像や、有名な木の根で覆われた仏頭、崩れ落ちたレンガの壁や礼拝堂の土台が残るのみとなっていますが、特に木の根に取り込まれた仏像の頭部は現地の人々の信仰を集めています。
【頭部が無い仏像】
アユタヤ王朝がビルマ(ミャンマー)軍と戦争した際に破壊されてしまいました。当時は仏頭に金箔が貼られていたこともあり、戦利品としてビルマ軍に持ち去られてしまったそうです。
【木の根で覆われた仏頭】
仏頭が戦争の際に切り取られたものの持ち去られずに放置され、その後長い年月の間に気の根に取り込まれてしまったそうです。戦争で破壊されながらも優しい微笑みをたたえる仏頭を拝見すると、自然と穏やかな気持ちになります。
ワット・プラシー・サンペット
1491年建立。セイロン(スリランカ)様式の仏塔の、アユタヤ最大規模の寺院でアユタヤ王朝の守護寺院でもあったそうです。王宮建築物ですが、同じくビルマ軍の攻撃により破壊され、かろうじて仏塔3基と王宮の跡を残すのみです。
象乗り「エレファント・ライド」
アユタヤ遺跡観光と合わせて体験したいのが「象乗り」。象はタイを代表する動物で、庶民・王様を守る特別な存在です。象の背中は意外に高く、背に乗って遺跡を眺めればアユタヤ王朝の王様になった気分です。
今回の海外視察も多くの皆さんにお力添えをいただき、全行程を終えることが出来ました。ご協力
ありがとうございました。